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【~院長のひとりごと~PART4 ”思い出ばなし①”】

 今回から数回は僕の眼科医生活の中の辛い・悲しい思い出話をしましょう。
 眼科医の仕事・手術の中に角膜移植(眼の黒目の部分を取り替える)という手術があります。これは善意のドナー(角膜提供者)がいて成り立つ手術です。
 あるとき僕が当直していた日の早朝のことでした。医局の電話が鳴り、出ると眼球提供者が出ましたとの連絡でした。僕が大学病院に務めていた25~30年前はまだ眼球保存液が発達していない時代だったので、死亡24時間以内に眼球摘出、更に24時間以内に角膜移植をしなければなりません。すぐ眼球摘出に向かい到着した御自宅に横たわっていた御遺体は、まだ亡くなるには若すぎる19歳の男性でした。御母様がおっしゃるには「この子は小さいときから将来僕は人のためになる仕事をするんだと言っていたのに、こんな格好で役に立たなくても、、、でも最期の本人の願いなのでドナーにならせてあげてください。」と泣き崩れました。僕は医者なので泣くわけにはいきませんでしたが、精一杯の力を振り絞って「〇〇さんの目は大切に使わせて頂きます。これで2人の人が再び明かりを取り戻すことが出来、〇〇さんと伴にまた世界を見続けると思います。大変ありがとうございました。」と言い、ドナー宅を後にしました。
 今、日本人ドナーは大変少なく、角膜移植は輸入角膜が多くなっています。あくまでも善意に頼るわけですが、もしドナーとして気になるなら各都道府県アイバンクに連絡を入れてみて下さるとありがたいです。

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